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ナイロン100℃『テイク・ザ・マネー・アンド・ラン』 小林高鹿の北九州本番日誌 |
9/29
北九州、小倉への旅をナビゲートするのはシカです。小林高鹿です。よろしく。僕の人生二度目のフライトは(一度目は先の北海道行き、初飛行でした)福岡行き、JALのB767型機。窓際の席に座った僕は、左手に富士の頂を見ながら空を飛びます。主翼の上に“NO STEP”の文字を発見。“ここに乗るな”「ハーイ」うん、いいお返事。さしたるハイジャックとかもなく無事福岡へ。博多から小倉へと移動する電車の外に広がる畑、そして工業地帯、あとスペースワールドとか。そんなん見ながら着きました、小倉。周りの人から聞いたイメージだと、やたらヤンキーが多くて、小さい町って感じだったんだけど、大きな街なのな。ヤンキーもそんないないし。ヤンキーいないな、と思ったら文体も、ちょっとフランクな。気楽でな。いいじゃん小倉。ただ、名物料理とかよくわかんないのね。とりあえず皆で、ホテル出て駅周辺をさんざん歩き回って、串焼き屋に入って、飲んだり食べたり。なぜか、そこのレモンサワーがうまくて(レモンサワーがうまいってちょっと不思議でしょ?)いっぱい飲んで、楽しかったの。そういや、リエさんが北海道から帰って太ったかと思ったら、2kgやせたって。スゴイ。小倉では、どうかな?逆にオレは、東京公演中にアンケートで「ガリガリで恐い」と書かれたので、太ろう。食うぞ!オレ!今だ!太れ!太るんだー!オレー!一人称も「僕」から「オレ」になったし、日も暮れてきたので、今日はもう寝る。おやすみ。
9/30
世紀末ってこともあって大変。朝目が覚めると飛び込んでくるニュースは通り魔。15人くらい刺したりして。車が駅に突っ込むなんて映画みたい。「恐いねー」なんていってても、実際、僕らの目の前にあるのは仕込み。そしてホテルの窓からは小倉城。
現実感喪失。
肉体労働を何とかやり過ごし、パーッと飲みに行ってると今度は、放射能。何だろう。出来事が大きすぎて、リアクションも思わず普通になっちゃう程。「恐い!」「世紀末!」なんかもう悲しい程、普通。言葉が無力な方に向かって、どんどん流れ出す。目に見えない恐怖?目に見えないものを見ようとして来たのが人間じゃない?つーか、文明によって?見ようとして来たわけじゃない?心とか?見えないじゃない?見えないから、恐かった。見えれば、恐くない。そう思って、頑張ったわけよ何世紀もかけて。放射能だってさ、何がやだって、わかんないもの、得体が知れないもの。そうして死ぬってさ。わかりにくい!何もかもが!終末論的な考え方って、全然興味とか実感できなかったけど、世の中がこうなってくると思考のベクトルが、どうしても向くよね、そっちの方に。
さあ、明日は何をしようかな、そして、死ぬまでに何をしとこうかな。それでも少しすると残酷な朝日が昇ってきて、言うのです。
“Are you Ready?”
10/1
昨日の日記があまりに日記らしくなかったので、日記の補足。夜は屋台でおでん食ったり、西牟田さんとBARに行ったりした。BARで再び何人かと合流して飲んでる時に知ったわけ、放射能の話は。
ナイロンの人達とBARって珍しいことなんだけど、今回西牟田さんがBAR好きなこともあって、オレは、ちょっとBARづいています。一人でBARとか行くらしいよ、恵さん。
北海道ではオレも一人で行ったよ、BAR。バーバーうるさいね、今日のオレ。七回も出て来てるね、BARってね。最後にちょっとだけ今日の日記。
屋台でラーメン食べた。とてもうまかったのです。 おわり。
10/2
まず山崎一さんの話から。ヤマザキさんはゲームがお好き。小倉に入ってから、犬山さんに売ってもらったゲームボーイカラーで、ドラクエ1・2に興じます。「聖水って何に使うんだっけ」「トヘロスと同じじゃなかったでしたっけ?」そんな懐かしい言葉が飛びかう楽しい楽屋。
今日はマチネが一時開演だったので、ソワレまでの間の時間がたっぷり。一人で劇場の外をウロウロしていると、歩いて来たリエさんに遭遇。劇場の近くでうどんをお召しになったとのこと。でも、そこのうどんの味が少しもの足りなかったと見えて、ちょっと不満げなご様子。僕もうどん屋探してるんです、というと「それじゃあ、私(リエ)が別のうどん屋に案内してもよくってよ。」とリエ嬢。「おぉ、何と優しき人かな。地の果てまでもついて行きましょうぞ。」
そんなわけで、お店を探しながら、行きつ迷いつ、歩き回って、目当てのうどん屋「はるや」に到着せり。「あぁ、リエ様、あなたのおかげで私もうどんにありつくことができました。この悦び、筆舌に尽くしがたく・・・」「ねぇ、シカ?一人でうどんを食べるもさびかろうて、リエが一緒に入ってあげてもよくってよ。そして、食べてあげても。うどんを。うどん、私食べてあげるわ。そうよ、食べればいいんじゃない。私も。あぁ、私のうどん!」「・・・。」
かくてリエ様は、二杯目のうどんを平らげ、満足そうにほほえむのであった。するとその時、天の怒りか、はたまた、お仕置きというべきか、ポツリポツリと降り出した雨。我ら二人の行く手を阻み、次第次第に強くなる雨。なすすべもないシカをあわれんで、はおったGジャンを雨よけに「も少し近くに寄んな、頭が濡れてるじゃないのさー」一枚のGジャンを大の女と細い男が、二人分け合って歩く雨の北九州。相合いGジャンで劇場へと帰って行くのでありました。
10/3
今日、我々は小倉を後にし、再び東京へと帰って行くのだ。日記を読み返しても、書いてないエピソードの多さに気付くばかり。例えば、10/2のマチネでは、芝居の後半、二場の途中で、雷が落ちて、停電という大アクシデント。20秒ほど暗転の中で芝居を続けるというハプニングが・・・。(むしろ、こういうことをちゃんと書いて欲しかった?)昨日は小倉城の周辺で25時間耐久駅伝がやっていた。ダイエー優勝セールや、劇場近くのスーパーで「まかせな祭」(ただのセールだと思うけど)、公園で「大植木祭」がやってたりと、お祭り好きなの?小倉市民。
夜ごと飲んだり食べたりした僕は、いつも寝不足の短期強行旅。疲れもたまって少々バテぎみではありますが、何とか無事に東京へ帰ることができそうです。これもひとえに、呼んで下さった株式会社ケイ・プランの皆さん、手伝っていただいた地元の方々、ステージを観に足を運んで下さったお客様、スタッフの皆々様、25時間走り続けた駅伝野郎達、ヤンキーの皆さん、うどん屋さん達、おでん達、レモンサワーの皆さん、ダイエーナイン、BARさん、ドラクエ1・そして2、放射能たち、臨界、マチネ、いす、雨、ほくろ、そして何より、オレ・・・。
ありがとう、小倉!そして、サンキュー、小倉!今度会った時も、お互い、でっかい夢を追いかけていようゼ!
そいじゃ皆も、よい一週間を!
See you next stage! Bye Bye!