小林高鹿と喜安浩平の『ナイス・エイジ』稽古日誌4
ナイロン100℃『ナイス・エイジ』の公演は終了致しました。
【企画主任どまりのマツナガ】

8/15
焼肉を食ったよ!ごくごく個人的に。だってどうしても食べたかったから。どうしても食べたかったから。稽古が夕方までなのをいいことにね。食いに食ったよ、肉。特にタンを。タン、タン、その他、タンタン、その他、タン、タタン、そのタン。という具合に。 そういう人、多いと思います。あたしだってタンよ、とね。カルビだと言う人もいるでしょう。レバ刺しはどうでしょうか?いやいやホルモンだって、そりゃあもう・・・。 とにかく肉が食いたかった。それはつまり、夏だから、と言えるかもしれません。 つまりこういうことか? (オレ×稽古+汗−お盆)÷カレー=スタミナ。そう、欲しいのはスタミナ。無尽蔵なスタミナこそ男の勲章。お前、凄いスタミナだな。と、周りのみんなに言われるよう、頑張って今日も自転車を漕ぎます。【喜安】


8/16

AM10:41「さてと・・・」カチリと乾いた音を立てて、ライターの着火点がまたたくとゆっくりとジタンの煙を肺の奥まで送り込む。 小さく暗いその倉庫の床は、夏だというのにいつまでも冷え切ったままだ。腰痛持ちの主任には、酷だが、しばらくの間の辛抱だ。個人的な感情はこの際すべて忘れることにしよう。どんなに優しく声をかけてみたところで主任の両腕を後ろ手に縛りさるぐつわをはめたのは、俺なのだ。主任の鋭く冷たい眼差しは、じっと俺の顔に向けられ、弓をキリキリ引きしぼる一流の弓道家のそれのようで、美しい。短くなったジタンの吸いがらをじらすようにゆっくりと踏み消すと、用意していた言葉をまた一つ、口にしてみる。 「さあ、show timeだ。悪いが、このコーナーは、本日をもって主旨の変更を宣言する。ページジャックといえばいいだろうか。しばらくの間おつき合いいただこう。これから数回にわたって展開されるのは、少なくとも『小林高鹿のナイス・エイジ日誌』ではない。俺、小林高鹿の役者としての今後の展望を紹介する告知ページ、『Closed circuit of Natural born deer 2000』となる。」 そう主任にも一言コメントをもらうことにしよう。このさるぐつわは、すみやかに事を運ぶための便宜上の小道具に過ぎなかったのだから。 「状況は理解していただけただろうか?」 しばらくおし黙った重苦しい沈黙の後で 「あたしゃ、あんたのことが好きになっちまったのさぁ。あたしの手で、この小林高鹿っていう頼りない男を、一人前にしてやるんだって思ってやってやってたんじゃないかっ。このコンコンチキめっ!【企画主任どまりのマツナガ】」 吐きかけられた“つば”を左手で拭きとるや、右手が彼女の頬をとらえた。静まり返っていた倉庫内の空気がしばし震える。 「おキャンだねぇ、かわいいよ、あんた。」 気温は上がり続けている。熱せられたアスファルトがつくりだす、陽炎の街へ、ぼんやりする頭をかかえて、今、最初の一歩が確実に刻まれたのだ。 To be continuedよ。【小林】

8/17
15日の自分の日誌を読み返し、少し壊れてきたかと自分の事を心配してみたりもするが、そうでもないです。大丈夫です。 下町の大きな稽古場に入って、もう数日が経ちました。 これから小屋入りまでここでみっちりといろいろやるわけです。去年の『テイク・ザ・マネー・アンド・ラン』というお芝居もここで稽古をして、その時は僕はただのお手伝いだったんですけど、それでも毎日猛暑の中通 ったことはとても印象深くて、今年の夏も下町だから、もうすっかり下町の夏しか知らない大人です。 そんな、お前まだまだ大人とは言えねえ。という向きの見方をする方もいるでしょう。が、そういう問題ではないのです。 問題は、いかに残りの夏を過ごすか、ということ。キャンプとかしたいです。海も良いけど、山ね。渓流が体にも心にも涼しさを与えてくれることでしょう。朝靄の中、小鳥のさえずりを聞きながら稽古。昼、バーベキューを楽しみながら稽古。夕方、キャンプファイヤーを囲んで稽古。夜、恐い話と稽古。もはやキャンプなのか稽古なのか。いやどっちかって言うと稽古。それ、合宿じゃないですか。 残りの夏をいかにすごすか。答えは明白だということ。【喜安】


8/19

そんなわけで、ハードボイルドタッチで始まった、というか無理矢理始めたこのコーナー。そのわりに日誌の名残で日付かいたりしてますけど。 さて、何故僕がナイロンを辞めることになったのか?その辺の詳しいことは、後に発売される自伝「機械仕掛けのオレ」(民明書房刊)を読んでもらうことにして、「え!?鹿ってナイロン辞めちゃうの?」って思った方や、「鹿って、今、全国的に数が増えすぎてて、作物の被害がでて、困ってるんだってね。・・・辞めちゃうの?」などと述べ、動揺を隠せない人も、多いと思います。そして一番多いのが「え!鹿?どの人?」「ホラ、あの左っかわの奥に立ってるヒョロっと長い、あれ、あの人」「ああ、あの棒ね」「それは棒でしょ、いや、その棒のとな・・・何だ?あの棒」「何の棒だろう」とその後終演まで、2人で舞台上の得体の知れない棒について延々議論を続けてる君!上演中に喋るな! まあ、辞めちゃうのは事実です。でもね、芝居辞めて、地元でパブを経営しながら毎日飲んだくれ、「役者だったんだよオレ」と常連にからむのだけはNGです。 今後も役者として生きていきますから、見守ってやってね。僕の側から見れば、役者としての世界を広げてみようってだけの話で、そんな大したことじゃないサ、きっと。ゴルフやったりテニスやったり、何か忘れてないか?そうだ冒険だ!そんなペーパーマリオの気持ちを代弁するのがオレの仕事!ヤダそんな仕事。 舞台に上がり続けていたいオレの勝負を賭けた次回出演作の情報を紹介しよう。【小林】

8/21
どうしたことか。この、夜の暑苦しさは。空気が肌にまとわりつく。まとわりつかれて、体重数10グラム増しな気分。じっとり汗が滲み出て、薄皮一枚コーティングな気分。 気分転換のつもりで稽古場の外に出れば、確かに転換、嫌な方に。まいった。最近、夜は過ごしやすいと思ってたのに。まいった。もう今日の感想はそれだけ。 こうなってくると日誌もどうしたものかというかんじで、とりあえず、なんとなく自分達の稽古場日誌を読んでみました。お互いとくに何も決めないまま書いているので、シカさんがなに書いてるのか知らないし、あと、自分がどんなことを書いてきたかも見てみたくて。 もう、稽古に関する情報の少ないことと言ったら。最初の方こそ稽古場の話をしているけど、だんだんと日を追うごとに、てきとうなことになっている。前回更新の僕の日誌にいたっては、手抜き感ばかりが目につくではないか。シカさんもシカさんだし。どういうテンションなんだ一体。 まだしばらく日誌は続くけど、たまには日誌っぽくしようかなあと思ったのです。たまには。 それにしてもアッツイ。もう、今日はアッツイとしか言えないので、次から。次は稽古場の事を。【喜安】


8/22
ペンギンプルペイルパイルズ vol.1 『2mの魚』
作・演出:倉持裕 2000年12/14〜17 全日19:00開演(土曜日のみマチネ14:00有り)
於:高円寺明石スタジオ
CAST:小林高鹿、朴本早紀子、玉置孝匡、伊藤留奈、水谷菜穂子、中野博文、杉田明彦 他
料金等、詳しい情報は追って連絡する。【小林】


8/23
次です。いよいよですね。 今日、稽古場の中に、より本番に近い形の舞台が組まれました。動きますぞ。グウォン、グウォンとね。何がどうグウォングウォンなのか。それを言ってしまうとアレだと思うので、これはぜひとも御自身の目で確かめていただきたいと思います。ぜひ、おこしくださーい。 そして衣装。そろってまいりました。数々の衣服が、小物達が。ほとんどの役者が複数の役をこなさねばならず、しかも時代がいろいろ変わるもんだから、用意された衣装もバラエティに富んでいて、大量 。打ち合わせも大変な作業になりました。着る方は楽しいんですけどね。原さんとか、何を着ても似合ってて、見ていてもかなり面 白かったし。だけどスタッフさんは、もう、大変。 僕もかつらをかぶったりします。実物はまだ揃ってなくて、だから打ち合わせだけだったんですけど、きっと愉快なことになるでしょう。自分でも楽しみ。 夜には通しも行われ、照明の関口さんや、音響の水越さん、茶木さんも稽古場にいらっしゃって、いよいよ迫ってきていることを実感したわけです。小屋入りまであと六日。 お、少しはまともな日記になったな。ではまた次回。【喜安】


8/24
「警察には通報するなと言ったはずだぞ!・・・まあ、いい、同じことだ。いいか、あんたには選択の余地はないんだ。言う通 りにしていれば何の問題もない。一度しか言わないからよく聞け!高円寺、明石スタジオ12月14〜17の間の一日でいい。できるだけ多くの友達を連れて来てね。以上だ。」ツーツーツー。「奥さん、落ちついて、落ちついて行動して下さい。小さい小屋だからといってバカにしてはいけません。それに、いいですか?知ってる人が出てないから、つまらないなんていって観に行かないとそれこそ、思うつぼです。様子を見ましょうまず観て、それから判断するのが妥当な方策だというのが我々の方針です。奥さんは、ともかくお友達の方の連絡お願いします。大丈夫、我々が保障しますよ。損はさせへんで。」怪人二十面 相【小林】



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